Kaspersky Security 8 for Linux Mail Server は、メールサーバーを通過するメッセージをフィルタリングして、未承諾メール(スパム)を削除します。
メッセージのスパムスキャンは、アンチスパムモジュールで実行されます。アンチスパムモジュールは、各メッセージをスキャンして、スパムの兆候を確認します。まず、送信者と受信者のアドレス、メッセージのサイズ、ヘッダー(送信元や受信者のヘッダーを含む)など、メッセージの属性をスキャンします。次に、メッセージの本文(件名ヘッダーを含む)と添付ファイルを分析します。アンチスパムエンジンは既定で有効です。必要に応じて、アンチスパムエンジンを無効にしたり、任意のルールでアンチスパムスキャンを無効にしたりすることができます。また、スパムスキャンの対象にするメッセージのサイズを制限できます。
本製品は、設定に基づいてスキャンを行い、スパムや準スパムが検知されたメッセージに、アンチスパムが計算するスパムレートに従って特定のステータスを割り当てます。スパム評価は 0〜100 の整数であり、メッセージの処理中にアンチスパムモジュールがトリガーされるたびにメッセージに付与されるポイントの合計となっています。また、本製品は、スパムレートをメッセージに割り当てる際に、DNSBL、SURBL、UDS の各サーバーと SPF テクノロジー、およびレピュテーションフィルタリングの結果からの応答を考慮に入れます。
レピュテーションフィルタリングは、メッセージのレピュテーションを判定する技術を使用したクラウドサービスです。クラウドサービスでは、新種のスパムに関する情報がアンチスパムデータベースより早く公開され、スパム検知の速度と精度を向上させることができます。
本製品は、メッセージ処理ルールの設定に従い、割り当てられたステータスを基準にして処理を実行します。特定のステータスを持つメッセージに対して実行する処理を選択したり、アンチスパムスキャン結果に基づいてメッセージに追加するタグを設定したりできます。メッセージの既定の処理方法は Skip です。
Spam Confidence Level(以降「SCL レート」とも表記)は、スパムである可能性の判定値です。
SCL レートは、以下の値になります:
スキャンの結果に基づき、X-MS-Exchange-Organization-SCL
X-header がメッセージに追加されます。このヘッダーには、SCL レートが含まれます。
アンチスパムの機能は、アンチスパムモジュールの設定ファイルを編集することで設定できます。設定ファイルでは、メッセージのアンチスパムスキャンのステータスや、Kaspersky Security 8 for Linux Mail Server の監査ログとイベントログに記録されるメールメッセージの情報の詳細レベルなどを変更できます。
アンチスパムエンジンの設定ファイルは、スーパーユーザーアカウントの権限を使用したテクニカルサポートモードで、Kaspersky Security 8 for Linux Mail Server 管理コンソールからアクセスできます。